シリーズ全体の姿勢(要旨)
本シリーズは、ChatGPT(および他のLLM)を盲信する立場と全面的に否定する立場のどちらにも立たない。LLMは自分自身の使い方を説明できる一方で、その説明自体が誤っていることもある。だからといって、すべてを信用せず切り捨てるのでもなく、返答に現れる違和感・矛盾・噛み合わなさを手がかりに、どこまで折り合いがつくのかを探る。
ここで行っているのは、正解を引き出すための問いではなく、返ってきた答えを材料に前提を問い直す作業である。信じ切ることも、拒絶することもせず、その中間で観察を続ける——本シリーズは、そのような態度そのものを共有する試みである。
Chapter 01:ChatGPTは何を知っていて、何を知らないのか
この章では、「知っているはずだ」「分かっているはずだ」という前提が、最初からどこで食い違っているのかを扱う。モデル名や時刻、記憶といった“基礎的な認識”についてのすれ違いは、後続のすべての誤解の出発点になる。ここを押さえておくことで、AIの返答を過信せず、前提確認を挟む判断がしやすくなる。
Chapter 02:考えているように見えるのはなぜか
この章では、「考えている」「理解している」と感じてしまう瞬間に、どのような錯覚が入り込むのかを追う。答えの揺れや自信のある言い回しは、判断を早める方向に働きやすい。ここを意識すると、結果だけで納得せず、質問の出し方や確認の入れどころを調整できるようになる。
Chapter 03:質問の仕方で何が変わるのか
この章では、「ちゃんと伝えたつもり」が通じない場面を扱う。canvasやファイル、構造の理解をめぐるすれ違いは、作業を任せるほど顕在化しやすい。どこまでがAI側の処理で、どこからが自分の責任なのかを切り分けられるようになる。
Chapter 04:信頼してよいのか、どこまで任せられるのか
この章では、「信じていいのか?」という迷いが生まれる瞬間を集中的に扱う。嘘・正しさ・感情・人格といった話題は、使い方を誤ると判断を曇らせる。ここを通過すると、検証が必要な場面と、割り切って使える場面を分けて考えられるようになる。
Chapter 05:画像・生成物はどう扱われているか
この章では、「見えている」「分かっている」と感じる感覚が、どこまで信用できるのかを扱う。思考・論理・画像理解といった話題は、能力の有無ではなく役割分担の問題として現れる。生成物をどう評価し、どこで人が補うべきかの判断材料になる。
Chapter 06:長い会話と実運用で起きること
この章では、実際に使い込んだときに起きるズレを扱う。プロンプトの順序、外部ツール、画像生成などは、意図と結果が噛み合わなくなる典型例だ。ここを読むことで、狙った指示を通しやすくなり、失敗の原因を切り分けて修正できるようになる。